雑食こけしの読書録

読書記録をメインに趣味のことをゆるく書いています

2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧

フランセス アッシュクロフト (著) 矢羽野 薫 (翻訳) 『人間はどこまで耐えられるのか』

高山・深海・宇宙空間まで、とどまるところを知らない人間の冒険心。 人間の限界に果敢に挑み続ける方々には畏怖の念さえも覚えるほどですが、では、実際のところ人間はどこまでの極限状態まで耐えられるのか。そんな疑問に答えてくれるのがこの本です。 な…

原田 マハ 『サロメ』

オーブリー・ビアズリーの名を知らなくても、この本の表紙に描かれたなんとも蠱惑的なイラストを見たことのある人は多いのではないでしょうか。 十九世紀末のイギリスの代表的な作家オスカー・ワイルドの戯曲「サロメ」の挿絵として描かれたその絵は、「サロ…

北野 唯我 『天才を殺す凡人 職場の人間関係に悩む、すべての人へ』

ブログの内容を小説に書き換えたという本書。世に傑出した天才であっても、その才能が殺され、時には絶望から当人を死に至らしめることさえもあります。 天才の死、それは凡人によってもたらされるのである。 なぜ天才は殺されてしまうのか、どういうメカニ…

中山 市朗 『怪談狩り あの子はだあれ?』

「幽霊の出てこない話」だそうです。 と聞くと、なんとなく人間の恐ろしさを描いた話なのだろうか?と短絡的に思ってしまいますが、ちょっと違います。出てくるのは、妖怪変化の類でしょうか。 日本昔ばなしの現代版といえば近いかもしれません。 聞き書き形…

岡田 真理 『いざ志願! おひとりさま自衛隊』

若気の至り(?)で予備自衛官補なるものに志願し、全訓練期間を終えた著者の体当たりの体験記です。タイトルと表紙の軽さでなんとなく色眼鏡で見ていたりしましたが、いやいや、なんとも勉強になる一冊でした。本職ライターという著者の文章は軽妙で、読み…

石徹白未亜 『節ネット、はじめました。 「黒ネット」「白ネット」をやっつけて、時間とお金を取り戻す』

気づいたらスマホに手が伸びて、ついつい寝るのが遅くなってしまう。 そんな生活を脱却しようとタイトルに惹かれて読んでみました。著者は元会社勤めのフリーライター。 パソコン仕事なこともあって、ついつい必要のないページに飛んで、いつのまにか時間ば…

鈴森 琴『忘却城 鬼帝女の涙』

私の心をすさまじい強さでつかんでいった「忘却城」の続編。 今回の主人公は、名付け師・縫の百人の御子のうち八十四番目の死霊術師の青年・魘神[えんしん]です。死霊術と呼ばれる死者をよみがえらせる技術により大きな力を得た王国。しかし、その設立には呪…

小林 泰三『失われた過去と未来の犯罪』

人類が記憶を持てなくなった世界を舞台にしたSF小説です。正確には短期記憶はあるのですが、それでも長くてせいぜい10分程度で日常生活を送ることなどとうてい無理です。 やがて、人類は失った記憶能力の代わりに、外部の記録媒体に自分自身の記憶を保存して…

野田 サトル 『ゴールデンカムイ』

何で今まで読まなかったのかが不思議なくらいに、趣味にぴったりはまった面白い漫画です。ブームから何年かたったのちではありますが、今現在、だだはまり中です。舞台は明治時代。主人公の杉元佐一は日露戦争帰りの兵士で、その戦いぶりから「不死身の杉元…

近藤 史恵『カナリヤは眠れない』

大阪心斎橋の雑居ビルの屋上にプレハブ小屋の居を構える、合田整骨院。 その院長である合田力は、人間の「身体の声」を聞いて、その処方を決めることのできる非常に優秀な整体師です。合田力のもとへ訪れる患者たちの心の闇を描いたシリーズ一作目となる本作…

大槻 ケンヂ『サブカルで食う 就職せず好きなことだけやって生きていく方法』

ミュージシャン、作家、タレントなどなど、マルチな分野で活躍をしている大槻ケンヂが、いわゆるサブカルの世界で生きていくための秘訣(というか心構え?)を綴った本です。屈辱的なあだ名をつけられながら、悶々と過ごした少年時代。 ロックバンド筋肉少女…