雑食こけしの読書録

読書記録をメインに趣味のことをゆるく書いています

大槻 ケンヂ『サブカルで食う 就職せず好きなことだけやって生きていく方法』

ミュージシャン、作家、タレントなどなど、マルチな分野で活躍をしている大槻ケンヂが、いわゆるサブカルの世界で生きていくための秘訣(というか心構え?)を綴った本です。

屈辱的なあだ名をつけられながら、悶々と過ごした少年時代。
ロックバンド筋肉少女帯としてデビューしてからの苦楽の日々。
サブカルの業界で食べていけるようになるまで――

それらの日々のことや、食っていくためにはどうすればいいのか、といった自分史七割、指南三割といったところでしょうか。バンドとして作詞作曲の名義をどうするかというエピソードは、音楽をやっている人なら一考すべき有益な情報でしょう。


【それにくわえて、人前で恥をかく覚悟というのも必要だともう一度言っておきましょう。】


コンプレックスに満ちた青春時代を送ってきた著者の言葉。
なるほどな、と思いました。たしかに、アウトプットできない人(私ですが)は、しょうもないことでこねくり回して、結局何もしないで終わるということがおおい気がします。失敗してもいいからやってみる、というのも重要なのでしょうね。

しかし、巻末対談で、サブカル好きという若者におすすめの映画を教えたら、「退屈で寝ちゃいましたー」という回答が来て、けしからん。という発言がありましたが、それは違うんじゃないかなと。
私の理解が違っていたら恐縮ではありますが、サブカルにはメジャーじゃない自分の好きなものを突き詰めていくという意味合いがあって、これがサブカルだ、という定義できるものではないような。

まあ、そもそも目上の人に教えを乞うておいて、つまらなかったというのがいかがなものかという意見については、全くの同意ですが。