雑食こけしの読書録

読書記録をメインに趣味のことをゆるく書いています

内藤 了 『ON 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子』

かつて自分が犯した殺人事件と同じ手口で死んでいくという奇妙な連続自殺事件。
新人刑事・藤堂比奈子はその事件を追うが、事件は混迷の一途をたどる。果たして彼女がたどり着いた真相とはーー

タイトルとあらすじだけで購入したのですが、これが角川ホラー文庫だということを忘れて、てっきりミステリ小説だと思いこんでいました。

ジャンルがホラーなので全く仕方のないことなのですが、こんな奇妙な事件をどんなトリックを用いて行うのか、を主眼に見ていたもので、どんどんオカルト寄りになっていく展開に拍子抜けして読んでしまいました。
私の勘違いで失礼しました。


【寝室で鳴り続く目覚ましの音で起こされたとき、比奈子はリビングで毛布にくるまれたうえ、保のコートを掛けて眠っていた。】


本質とは全然関係ないのですが、このコート、比奈子が好意を抱く中島保という精神科医のものです。たぶん、保が親切でかけたのでしょうが、前の夜、彼は嘔吐してコート汚しちゃってるんですよね。
くさそう……って思ってしまいました。

朝起きたら好きな男のコートにくるまれていた、というシーンをどうしても描きたかったのでしょうか。

ちゃんとホラーという前提で読んでいれば、また印象が変わっていたかもしれません。
ただなあ、ホラーとしてもこのトリックは「うーん」という感じです。

ともあれ、シリーズ化しているみたいですので、もう一冊くらい読んでみます。