雑食こけしの読書録

読書記録をメインに趣味のことをゆるく書いています

2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧

草野 原々 『最後にして最初のアイドル』

この可愛らしい表紙につられて購入した人は後悔するかもしれません。 早川書房なので、SFだろうとは思っていましたが、初音ミク的なものを想像していたのに対して、なんじゃこれはとんでもない(誉め言葉)。主人公はアイドルにあこがれる普通の少女、古月み…

白鷺 あおい『ぬばたまおろち、しらたまおろち』

創元ファンタジイ新人賞の優秀賞受賞作(第2回)とのこと。岡山の田舎の村で暮らす深瀬綾乃には、四年前に事故で両親を失ったという過去があります。 育ての親にも内緒の彼女の秘密、それは、白蛇(というより大蛇)のアロウの存在。綾乃が岡山で暮らすよう…

京極 夏彦 (翻訳), 東 雅夫 (編集)『稲生物怪録』

百本のろうそくを前に、怖い話をひとつするたびに1本ずつろうそくを吹き消す。 百話目が終わって真っ暗になったとき、不思議なことが起きる。有名な話ですが、実際にやってみた人はあまりいないのではないでしょうか。主人公は、度胸試しとしてこの百物語を…

今村 翔吾『童の神』

ああ、これはいい。 時代小説でお気に入りの作家を見つけてしまいました。以前、『火喰鳥』を読んで知らない作家だと思っていたら、本屋に平積みされているほどに有名な人だと知って姿勢を正して読んでみました。 本作は角川春樹賞を、審査員の大絶賛のもと…

塙亘之、中村計『言い訳 関西芸人はなぜM-1で勝てないのか』

実力派漫才コンビとして確固たる地位を築いているナイツですが、意外にも、彼らはM-1での優勝経験はありません。 何度も挑戦しては優勝に手が届かずに終わる。それでも挑戦し続けたM-1への思いと、漫才への思いがあふれたインタビュー形式の本です。全体的に…

倉知 淳 『幻獣遁走曲』

表紙のフクロウ人間が印象的な本書。小柄で童顔で年齢不詳(でも、実は結構年がいっている)の猫丸先輩は、いろんな仕事をします。治験、UMAの捜索隊員、ヒーローショーの怪人、はたまた松茸狩りの案内人。そこで起きるささやかな事件を、猫丸先輩がとぼけた…

一條 次郎 『レプリカたちの夜』

第2回新潮ミステリー大賞受賞作 著者の別作品「動物たちのまーまー」の表紙に惹かれ、それならばデビュー作から、ということで手に取ってみました。主人公の往本は、動物のレプリカ工場で品質管理の仕事をしています。 多くの動物たちが絶滅したという世界観…

「時間術大全――人生が本当に変わる「87の時間ワザ」」ジェイク・ナップ (著), ジョン・ゼラツキー (著), 櫻井 祐子 (翻訳)

いつも時間に追われるような日々を過ごしていないでしょうか? 一日を振り返って、何をしていたか思い出せなかったりしないでしょうか?GoogleとYouTubeでそれぞれ多忙な日々を過ごしてきた著者二人が、自分の時間を作るためのテクニックを紹介した本です。 …