雑食こけしの読書録

読書記録をメインに趣味のことをゆるく書いています

野田 サトル 『ゴールデンカムイ』

何で今まで読まなかったのかが不思議なくらいに、趣味にぴったりはまった面白い漫画です。ブームから何年かたったのちではありますが、今現在、だだはまり中です。

舞台は明治時代。主人公の杉元佐一は日露戦争帰りの兵士で、その戦いぶりから「不死身の杉元」の異名を持つほどの強さを誇ります。
彼は戦死した友人の奥さんの病気を治すために、北海道に渡り、砂金取りにいそしんでいました。そんなとき、彼はアイヌの金塊の存在を知るのです。

北海道のどこかに莫大な金塊が隠されていて、そのありかを示すのは、網走監獄の脱獄囚たちの体に彫られた入れ墨であるといいます。
入れ墨の囚人を追う中で、杉元はアイヌの少女アシリパと出会い、金塊を追うために手を組むことを決めます。

しかし、金塊を狙うのは杉元たちだけではありません。
陸軍最強と言われる第七師団と、さらには函館戦争で生き延びていた新選組土方歳三――三つ巴かつ、敵味方入り乱れての戦いが北海道の広大な自然を舞台に繰り広げられます。

……というのが全体のあらすじですが、何なんでしょうね。アイヌのグルメ要素あり、ギャグ要素ふんだんに盛り込まれの、なんでもあり、という感じであらすじだけではどうにも形容のしがたい漫画です。
全体的なストーリーは確かに骨太で、血が飛び散り、肉片も飛び散る凄惨な場面もあります。でもでも、そのすきを見計らってギャグとグルメが差し込まれているのです。
そのバランス感覚が実に素晴らしい。

見せ方もとてもうまくて、漫画がうまいというのはこういうことなんだろうな、と納得します。

形式は三つ巴ではあるものの、個々の人物がきちんと自分の意志を持っているので、完璧にチーム分けができているわけでもなく、展開が読めません。
変態ぞろいの囚人たちをはじめとして、個性的かつ魅力的な登場人物たちが織り成すぶっ飛んだ世界。とてもいいです。

私はとにかく尾形が好きです。
メンヘラサイコパスのチートスナイパーかっこいい。

新刊を読むたびに、「あああああ、面白いいい」となるので、抑えきれない感情放出のために、新刊ごとに感想を書いてしまうかもしれません。

ゴールデンカムイ 1 (ヤングジャンプコミックス)

ゴールデンカムイ 1 (ヤングジャンプコミックス)