雑食こけしの読書録

読書記録をメインに趣味のことをゆるく書いています

中村 勇志『六道の悪女たち』

読書録にマンガも解禁しました。
たまたまAmazonのサイトで見つけて、買ってみたところ、少年漫画らしい熱い漫画で、最新刊まで一気に読んでしまいました。

主人公の六道桃太は、不良高校に通ういじめられっ子で、同じくいじめられている大佐(あだ名)と課長(あだ名)と楽しい学校生活を夢見る日々。そんな中、桃太の元へ亡くなった祖父からの荷物が届きます。
その中身は、奇妙な巻き物。しかし、それは不思議な力のこもった巻き物だったのです。

翌日、友人たちと登校する桃太は自分に女の子の熱い視線が注がれているのに気づきます。しかも、いかにもヤカラといった風情の悪女ばかり。そうです、巻物は悪女にモテる力を持っていたのです。そして、桃太はある運命的な出会いを果たします。

それこそが、化け物じみた強さで無敵の悪女、向日葵乱奈。
悪の塊である彼女は、一目で桃太に恋に落ちてしまいます。

世の男子が憧れてやまないであろうハーレム状態。しかし、桃太のそれは果たして羨ましいのかどうか。
争いを嫌う事なかれ主義の桃太ですが、否応なしに様々な騒動に巻き込まれていくことになってしまいます。

王道中の王道ともいえるストーリー展開です。トラブルがあったとしても、最強の悪女乱奈に頼めば、全てを蹴散らしてくれるはずですが、桃太は彼女を“使う”ことをしないで、一人の女の子として尊重し、自らの力で乗り越えていくのです。

ご都合主義? いいんです、そんなの。すかっとして、たまにほろりとします。弱気な主人公だけでなく、周りの人達みんなも含めた素敵な成長譚です。

やや懐かしささえ覚える、シンプルで力強い絵も私好みです。性格(性癖?)はどうであれ、椰子谷さんの顔がドストライクでかわいいです。

六道の悪女たち 1 (少年チャンピオン・コミックス)

六道の悪女たち 1 (少年チャンピオン・コミックス)