雑食こけしの読書録

読書記録をメインに趣味のことをゆるく書いています

梅原 大吾 『1日ひとつだけ、強くなる。』

日本で最初のプロゲーマーとしてレジェンド的な存在である梅原大吾による本です。

今はe-sportsとしてプロゲーマーという存在は認知されていますが、長く、子供の遊びといった認識をされ続けてきたゲームの世界で食べていくのは大変だったのだろうと思います。

色眼鏡で見られたり、逆に過剰な期待をかけられすぎたり。
そんな環境でも今なお、第一線で走り続けているプロゲーマーウメハラの、ゲームに対する向き合い方、考え方が濃縮された本です。


どんなジャンルであれ、私はプロという存在に敬意を持っています。
もちろん、単にそれでお金を稼いでいる人ではなく、プロという自覚と自負を持ち、プロでい続けるための努力を怠らない人のことです。

プロゲーマーという特殊な職業だけに、成果を出し続けなければならないというプレッシャーは相当なものなのだろうと思います。その中で、何を考え、何をやってきたのか、プロゲーマー・ウメハラのゲームに対する真摯な姿勢が伝わってきてとても面白いです。

印象的だったのは、プレイスタイルに対する柔軟性です。

自分の勝ちスタイルを持って、その状態に追い込めば自分の勝ち、というやり方を彼は否定しています。
スタイルにこだわると、壁に当たった時に、軌道修正が効かなくなると。
だから、小手先の変更だけで対処できるものなのか、それとも根本的に改善が必要なものなのかを見極めなければならない、とも。

自分自身の仕事に対するプロの考え方は、生き方そのものであり、下手なビジネス書を読むよりもためになると思います。

このあたりなんて、しみじみ身につまされる思いです。

何も積み重ねることなく、身勝手なやり方でやっていることを個性だと思っているのは自分だけだ。

一流のプロは本当にかっこいい。