安宅 和人『イシューからはじめよ ― 知的生産の「シンプルな本質」』
知的生産を効率的に行うためには?をテーマにした一冊です。
それは、ライフハック的な一分一秒の余裕を絞り出すための効率化ではなく、問題の本質を見極めて、その本質に向けて進んでいくことである、と著者は書きます。
プレゼンのための資料集めにしても、ただがむしゃらに資料を集めるのではなく、そのプレゼンで本当に言いたいこと(相手に納得させたいことは何で、そのために何が必要なのか)を明確にした上で集めないと、無駄になるばかりか、自分の考えもぼやけたものになってしまいます。
まあ確かに、研究なんかでも問題設定を定義するのが一番難しいとも言いますしね。
読んでいて納得はするのですが、さてそれが本当に実践できるのかというとそこにまたハードルがあるのが難しいところ。
労働時間なんてどうでもいい。価値のあるアウトプットが生まれればいいのだ。たとえ1日に5分しか働いていなくても、合意した以上のアウトプットをスケジュールどおりに、あるいはそれより前に生み出せていれば何の問題もない。
言いたいことは分かるんですが、古き良き(?)日本企業にいると、その感覚がなかなか身についてきません。フレックスにしても、結局は労働時間ですからね。
ポストコロナの働き方なんて言われる昨今、私たちも働き方を改めて見直す必要があるのかも知れません。
- 作者:安宅和人
- 発売日: 2010/11/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)