雑食こけしの読書録

読書記録をメインに趣味のことをゆるく書いています

大森 藤ノ (著), ヤスダ スズヒト (イラスト) 『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか15』

私が欠かさず買っているライトノベルのひとつです。
1巻に比べると、メンバーも増えてどんどん賑やかになっていますね。

死と隣り合わせの、というよりは九割方棺桶に体を突っ込むような壮絶な遠征を経て、オラリオの街へと帰ってきたメンバーたち。
今回の巻はひとときの休息といったところでしょうか。

それぞれのメンバーにスポットを当てた短編から構成されていて、メンバーたちの過去と現在の対比が丁寧に描写されています。
激しく厳しい経験は成長を生み、そして成長することは選択肢が増えることでもあります。それは小さく、非力な少女にとっても例外ではありません。


【リリの目的とは、やはりベルのサポーターであり続けるということだった。】


出てくるキャラクターの中では私はリリが好きです。
強くなりたいと思いながらも、生まれ持っての(種族的な)制約でその願いは叶えられることはありません。

しかし、自分の全てに代えても支えたい少年ベルのために、彼女は自分の持てる力で貢献する道を見出すのです。
一途です。

銭ゲバ的な彼女の所業も彼のためです。
少年だけに向いていた彼女の思いが、だんだんとメンバーたちへと向かっていくのもいいですね。本当はとてもいい子なんです、リリは。

壮絶な戦闘シーンもいいですが、こういう幕間的な話も好きです。

ダンジョンに隠された秘密も少しずつ見えてきて、これからの展開も楽しみです。