雑食こけしの読書録

読書記録をメインに趣味のことをゆるく書いています

冲方 丁 『マルドゥック・アノニマス4』

さあ来ました!
私が心の底から待ち望んでいた「マルドゥックシリーズ」の最新刊です。

前巻では、絶体絶命の状態におちいったウフコックを、かつての相棒で彼に言わせるところ最高の相棒だった少女バロットが助けに来るという、最高潮の盛り上がりで次巻に続くになってしまいましたので、本当に楽しみで楽しみで。


【《それは、私を人質にとるということですね》
はっきり言った。携帯電話の録音機能が一連の会話をデータ化してくれていた。】


命を賭した戦いに勝利したバロットは、平和な生活を手にし、将来に向かって勉学にはげんでいます。彼女を助けるために力を貸してくれたイースターオフィスの面々は、自らの危機に瀕しても、今やいち学生となった彼女を巻き込まないため、あくまでも蚊帳の外に置いています。

バロットは非常に強力な能力を持っていますが、それを個人的に使うことは法に反してしまうのです。しかし、なにがなんでもどんな手を使ってでも、ウフコックを助けに行きたい、そのために自分の持つ力を使う許可を得たい、と彼女は考えます。

そこで彼女が取った手段が、自分が危険にさらされているという証拠を取ることでした。
ウフコックの対立項であるハンターがバロットに接触する、それはもちろん危険なことなのですが、一方でバロットがウフコックに関われるチャンスでもありました。

バロットのウフコックへの愛と、その成長ぶりがみて取れるこのシーンはわくわくです。

でも、バロットの強さは規格外すぎないですかね。