斎藤 英喜 (監修) 『とんでもなく面白い『古事記』』
ギリシャ神話とかケルト神話とか、華やかでファンタジー世界でおなじみの神話に隠れて、影が薄い(ような気がする)日本神話。
私も、中高大と長引く中二病を患っていた時は、完全にそっちに傾倒していました。
いっとき、古事記を読み通そうと、こむずかし目の現代語訳に手を伸ばしてみたものの、途中で登場する歴代天皇の羅列に幾度となく挫折をしてきました。
登場人物で稗田阿礼が真っ先に出てくるところからしてお察しですね。
(彼女は、古事記の語り部として2行目あたりに登場しています)
そんな人たちに向けて、古事記のストーリーを平易な文章でなぞってくれているのが本書です。豆知識的なコラムや、現代の解釈なんかもきちんと記述されていて、一見現代人の感性だと理解できない部分も分かりやすいです。
面白いなと思ったのが、この豆知識。
【古代の流刑は、身分や罪によって流される距離が違った。】
現代とは違う罪の軽重を、どこに流されたかによって判断できるそうなのです。
当時の感覚からしたら、網走なんて死罪よりも厳しい刑なのかもしれません。
内容は意外と知っているストーリーばかり。
なんだかんだ言っても、日本人には古事記の話は染み付いているのかもしれませんね。
昔の人の想像力はすごいなと思うのですが、私はどうしてもオホクニノヌシがニニギに国を譲るところが納得できません。
地上(中つ国)が発展したからよこせなんて、天つ国の神々はちょっと身勝手すぎませんかね。
- 作者: 斎藤英喜
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2012/07/04
- メディア: 文庫
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