冲方丁 『十二人の死にたい子どもたち 』
記念すべき一冊目は、私の大好きな作家の作品です。
映画にもなったことですし、話題性も知名度も抜群の小説だろうと思います。
簡単なあらすじ(導入)としては、
死という共通の目的をもって、廃病院に集った十二人のティーンエイジャーたち。
そこにいるのは厳選された十二人だけのはずだったが、集合場所である病院の一室にはすでに、誰ともしれぬ十三人目の少年の死体がすでに横たわっていた——
あんまり書きすぎるとネタバレになってしまうので、これくらいで。
思いもかけない死体を見て、少年少女たちは今後の方針についての話し合いをすることを決めます。
死にたい、という思いは同じであっても、死を決意するまでの背景は皆違っていて、その違いが話し合いを意外な方向へと運んでいくことになります。
十二人の少年少女の造形が個性的で、誰に共感するかも人によるのかもしれないです。
印象に残ったのは、マイという脳天気少女のこの発言です。
多分この子、おバカだけどとてもいい子。
怜悧な少女アンリはほとんど相手にしていないですが、これが超弩級の爆弾発言につながっていっちゃうのです。
【「超めんどかったけど、頑張って全部答えて良かった!」
「そうね」アンリがうなずいた。ほとんど黙殺に近い返事だった。】
彼らが出した結論と、最後のオチには賛否両論はありそうですが、もっていきようはこれしかないんでしょうね、きっと。
シンジロウ有能すぎ!と思いつつ読んでいましたが、まさかのノブオお前もできる子か!ってなりました。
- 作者: 冲方丁
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2016/10/15
- メディア: 単行本
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