笹間 良彦 『図説 日本未確認生物事典』
日本津々浦々の想像・伝説上の生き物を多数の出典より分類して、豊富な画像とともに記述した本。
興味のない人には「ふーん」で終わっちゃうかもしれませんが、私はこういうのが大好物なので、うきうきしつつ読みました。
【こうした話で有名なのは『怨み葛の葉』で有名な安倍の保名と信田杜の狐との間に生まれた安倍晴明の話で】
狐に関する箇所で、人間の女性に化けた狐が人と結婚して、生まれた子供は皆優れた人間になるという言い伝えに言及した後での一文です。
安倍晴明が狐との合いの子だという伝説は、わりと有名な話で、私もこれが初見というわけでもないのですが、この話が大好きすぎて、この手の本で触れられるたびに興奮してしまいます。
やっぱり人の想像力というのはロマンが詰まっていますね。
もうひとつ、この本の中で印象深かったものとしては、【封(肉人) ほう(にくじん)】という生き物の章で、【庭に小児くらいで手はあっても指は無く、その手で天を指して立っている者がい】て、不気味に思い追い払ってしまったが、実は、【食うと多力になって武勇にすぐれるという仙薬である】そうですが−−
いや、これはどう考えても人間じゃないか。
もしかして、仙薬というのは「【封】らしきもの(=人間?)」を食べるための口実だったのでは、と無駄に想像力を働かせてしまい、ちょっと怖くなりました。
- 作者: 笹間良彦
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2018/11/22
- メディア: 文庫
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