此元 和津也 『セトウツミ 8』
漫画は書き出すときりがないと思って迷っていたのですが、一気読みの興奮冷めやらぬ状態でこの思いを吐き出します。
実写映画にもなっていますので、かなり有名な作品かと思います。
(私は今まで読んだことはなかったのですが……)
主人公は瀬戸と内海の二人の男子高校生。
サッカー部を辞めて暇を持て余す瀬戸と、予備校までの時間をつぶしたい孤高の優等生内海は、いつしか放課後、川べりの広場に集まり放課後の時間を二人、意味のないだべりで過ごすようになります。
お調子者の瀬戸が会話の口を切っては、冷静な内海が突っ込みを入れる。
関西弁で繰り広げるテンションの低い会話はなかなかの中毒性があります。
何気ない会話と同じ温度で二人の抱える闇が差し込まれたりしながらも、平穏な日々は過ぎていきました。
最終巻の8巻までは。
色々な方のレビューにもありますが、ラストに向けて仕込まれたトリックは見事です。全然気づきませんでした。
瀬戸が内海に見せた熱い友情にもぐっときましたが、内海がさりげなく見せた瀬戸への思いにちょっと泣きそうになりました。
【「そういえばな」「寝ろや笑」】
最終回での二人のやりとりです。
いつも通りのなんでもない会話です。
でも、そうじゃないんです。
漫画だからこその心理描写は本当に心に残りました。
これからの二人に幸あれ。
- 作者: 此元和津也
- 出版社/メーカー: 秋田書店
- 発売日: 2017/12/08
- メディア: コミック
- この商品を含むブログ (2件) を見る