雑食こけしの読書録

読書記録をメインに趣味のことをゆるく書いています

馬場 翁 『蜘蛛ですが、なにか?』

マンガ化、アニメ化もして人気のある小説です。

いま(?)流行りの転生ものですが、うら若き女子高生の転生先はなんと蜘蛛のモンスターという、転生=チートの定石を外したサバイバルストーリー。


主人公である「私」は、暗い洞窟の中で目を覚ましました。

記憶しているのは、古文の授業中に正体不明の爆発が発生したことだけ。意味不明ながらも周囲の状況を見ると、卵からわさわさと蜘蛛の子供が生まれてくる、そして、どうやら自分もその中の一人(一匹)らしいということが分かります。突如始まった共食いの嵐から逃げ出して、冷静になった「私」は、自分が異世界で蜘蛛型のモンスターとして転生したのだということを理解し、この世界でなんとしてでも生き延びることを決意するのです。


設定は変化球ですが、よくある、非常によくある転生ものです。
ステータスやスキルポイントという便利機能と、この手の作品では必ず存在する謎の天の声。

うーん、転生、チート。よし世界最強を目指すぞ! というシンプルかつストレートな形を取らずに、まずはマイホーム(=蜘蛛の巣)を作って、怠惰に生きよう、という流れは割と好みですが、結局それも三分の一くらいで終わっちゃうんですよね。

さらに、転生特典!で便利なスキルがおまけされているそうで。
あれ、やっぱりチートですね。

文章のノリが軽いのはネット小説出身ならではなのでしょう。
そのノリについていけるかどうかで、本作にハマれるかどうかが変わって来る気がします。

そうと決まればレッツラゴー!
て、意気揚々と移動し始めたのはいいけど、迷っちゃった。

割とこんな文章の連続ですので。
かつての携帯小説の台頭を見る大人の気分。