雑食こけしの読書録

読書記録をメインに趣味のことをゆるく書いています

石川 英輔 『実見 江戸の暮らし』

江戸時代の庶民たちはいったいどんな暮らしをしてきたのか?
何を食べ、何を飲み、何を着ていたのかーー

特別な出来事ならば記録に残っていることが多いですが、ごくごく一般的なことはあえて記録することもなく、今を生きる私たちがその日常を知るための情報は限られています。

この本では、そんな庶民の日常的な暮らしを、著者がかきあつめてきた資料をもとに読み解いてくれます。

食事の時に卓を使うことはない、とか、江戸の夜はかなり暗い、とか。
時代劇の影響か私が今までに持っていた江戸時代の暮らしのイメージは、だいぶデフォルメされていたんだな、と分かります。

「江戸時代の明かり」のパートでは、行灯の種類とかどれだけ明るかったとか、非常にこまごまとしたところまで説明されていて、大変興味深い。
細部中の細部が大好物な私にとって、そのきめ細かさが楽しいのです。


【ほとんどあきらめていた頃、『為御菜』というタイトルの「番付」を見る機会があった。】


これは、いわゆる【おかず】の【ランキング一覧表】だそうです。
いつの時代も考えることは同じなんですね。

著者は江戸時代のさまざまな「番付(ランキング)」だけをテーマにした「大江戸番付事情」という本も出しているそうです。

これは絶対に読んでみよう。