石川 英輔 『実見 江戸の暮らし』
江戸時代の庶民たちはいったいどんな暮らしをしてきたのか?
何を食べ、何を飲み、何を着ていたのかーー
特別な出来事ならば記録に残っていることが多いですが、ごくごく一般的なことはあえて記録することもなく、今を生きる私たちがその日常を知るための情報は限られています。
この本では、そんな庶民の日常的な暮らしを、著者がかきあつめてきた資料をもとに読み解いてくれます。
食事の時に卓を使うことはない、とか、江戸の夜はかなり暗い、とか。
時代劇の影響か私が今までに持っていた江戸時代の暮らしのイメージは、だいぶデフォルメされていたんだな、と分かります。
「江戸時代の明かり」のパートでは、行灯の種類とかどれだけ明るかったとか、非常にこまごまとしたところまで説明されていて、大変興味深い。
細部中の細部が大好物な私にとって、そのきめ細かさが楽しいのです。
【ほとんどあきらめていた頃、『為御菜』というタイトルの「番付」を見る機会があった。】
これは、いわゆる【おかず】の【ランキング一覧表】だそうです。
いつの時代も考えることは同じなんですね。
著者は江戸時代のさまざまな「番付(ランキング)」だけをテーマにした「大江戸番付事情」という本も出しているそうです。
これは絶対に読んでみよう。
- 作者: 石川英輔
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2013/01/16
- メディア: 文庫
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