今井 良 『内閣情報調査室』
スパイ天国なんて揶揄されることも多い日本ですが、スパイ行為を行うような組織が全く無いか、と言われると、そういうわけでもないのです。
それが、官邸直轄の組織である「内閣情報調査室」です。この組織は、日夜数多の情報を収集・精査し、有意な情報を引き出しているという、国のインテリジェンス機関です。
もちろん、日本だって国内外の脅威に対して、無策なわけでないのはわかっていましたが、では実際にどんなことをしているのか、となると想像もつかない、というのが大方ではないでしょうか。
この本では、内閣情報調査室をはじめ、公的なインテリジェンス機関である公安警察、公安調査庁について、その成り立ち、構成等々、取材に基づく様々な情報を示してくれます。
これらの三つの機関が互いに探り合い、ときには尾行さえもし合っているというのは、さすがは縦割り、と思うと同時に、馴れ合わない姿勢に頼もしさを覚えます。
これらは公にするべきでない秘密の組織なので、当然以下のようなことになります。
【この公安警察の司令塔に当たる機関が、存在そのものが無い=ゼロから由来し「ZERO」と呼ばれている秘密組織だ】
なんだかすごい厨二臭がします。
いやいや、こういう方々が、身を挺して国を守ってくれているのだと思うと、頭が下がります。
情報をただ羅列した印象のところが多かったのが、少しもったいない感じがしました。
内閣情報調査室 公安警察、公安調査庁との三つ巴の闘い (幻冬舎新書)
- 作者:今井 良
- 発売日: 2019/05/30
- メディア: 新書