雑食こけしの読書録

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今井 良 『内閣情報調査室』

スパイ天国なんて揶揄されることも多い日本ですが、スパイ行為を行うような組織が全く無いか、と言われると、そういうわけでもないのです。

それが、官邸直轄の組織である「内閣情報調査室」です。この組織は、日夜数多の情報を収集・精査し、有意な情報を引き出しているという、国のインテリジェンス機関です。
もちろん、日本だって国内外の脅威に対して、無策なわけでないのはわかっていましたが、では実際にどんなことをしているのか、となると想像もつかない、というのが大方ではないでしょうか。

この本では、内閣情報調査室をはじめ、公的なインテリジェンス機関である公安警察公安調査庁について、その成り立ち、構成等々、取材に基づく様々な情報を示してくれます。

これらの三つの機関が互いに探り合い、ときには尾行さえもし合っているというのは、さすがは縦割り、と思うと同時に、馴れ合わない姿勢に頼もしさを覚えます。

これらは公にするべきでない秘密の組織なので、当然以下のようなことになります。


【この公安警察の司令塔に当たる機関が、存在そのものが無い=ゼロから由来し「ZERO」と呼ばれている秘密組織だ】


なんだかすごい厨二臭がします。
いやいや、こういう方々が、身を挺して国を守ってくれているのだと思うと、頭が下がります。

情報をただ羅列した印象のところが多かったのが、少しもったいない感じがしました。