雑食こけしの読書録

読書記録をメインに趣味のことをゆるく書いています

瀬野 反人 『ヘテロゲニア リンギスティコ ~異種族言語学入門~ (1)』

異世界◯◯」というテーマはいまややり尽くされている感がある昨今。
もはやテーマはないんじゃないかと思っていましたが、この漫画、まさかの言語学です。

師匠である教授が体調不良(ぎっくり腰)になったため、異世界言語学者の卵であるハカバは、単身、魔界へフィールドワークの旅にでます。
魔界の案内役の少女ススキは、なんと教授とワーウルフの間にできたハーフ!!

座学と実地の差に戸惑いつつも、ハカバは様々な種族との交流を交わしていきます。

とても面白い漫画です。
また流行りの異世界モノか、と思ってはいけません。

匂い、色彩、ジェスチャーなど、種族の特性によって異なる、コミュニケーションの手段は説得力があります。
種族間の違いを理解し、折り合いをつけて暮らす魔界の住人を見れば、魔界が平和な世界なのだということがすぐに分かります。

ほのぼのストーリーにぴったりの可愛らしい絵柄がまた魅力的です。
健気な少女ススキは言うまでもなく可愛いですが、私のお気に入りはリザードマンの姉弟
ファンタジー好きならよく知っている恐ろしいモンスターたちは、とても親切で気のいい奴らでした。

私も彼らと旅をしたいものです。