カルロ・ゼン 『幼女戦記』
とうの昔にアニメ化されて、今さらも今さらという感がありますが、ようやく読んでみました。幼女という単語がネックで手を出しそびれていたという理由もなきにしもあらず。
帝国軍で魔道士として類稀な才能を見せるターニャ・デグレチャフは、その可憐で可愛らしい外見とは裏腹に、苛烈かつ冷酷な性質を持つ、十歳にも満たない少女です。年齢に見合わない才覚で出世の道をひた走る彼女はその実、存在Xなる神のようなものによって転生させられた元エリートサラリーマンです。
タイトルと表紙からは全く想像できない、骨太かつ武骨な小説ですね。
【まあ、軍事的創造性なぞ、ナポレオンやハンニバルに任せるべきなのだろう。】
とか、章末には脚注付きで、それ系(サブカル?)の人が喜びそうな単語が目白押しです。
読む人を選ぶんでしょうね、きっと。
そして、私は残念ながら、選ばれない側でした……
そもそも、転生前の主人公がハイスペックすぎて。だって、ターニャが書いた論文は、専門の学者が書いたのでは?と思われる出来なんですよ。いくら元がエリートサラリーマンの設定でも、ちょっと無理がありませんかね。世界でも五本の指に入る天才が、なぜか転生したとかそんなレベルじゃないでしょうか。
たまに外見の描写がないと、ターニャが幼女であることを忘れてしまいます。
カルト的なファンがつきそうな内容ではありますので、この手の知識が好きな人は読んでみてはいかがでしょうか
- 作者: カルロ・ゼン,篠月しのぶ
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/エンターブレイン
- 発売日: 2013/10/31
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (11件) を見る