雑食こけしの読書録

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中尾 隆一郎 『最高の結果を出すKPIマネジメント』

KPIとKGI。
働いたことのある人ならば、一度は聞いたことがある単語だと思います。

他の人はどうなのかは分かりませんが、少なくとも私は、「あー、なんか目標を立てるやつでしょ」程度の意識でした。
というか、完全に試験対策で覚えていただけですので、KPIが上位なのか、KGIが上位なのかさえもあいまいなまま。

著者は元々リクルートで社内のKPIマネジメント講座を11年間担当したという経歴の持ち主。
その経験をもとに、KPIの立て方、数値目標の設定方法、KPIの運用方法など、初級編から実践編までstepに応じて説明をしてくれています。

私のような超初心者でもKPIを設定するか、という気分にさせてくれました。

本書で著者が何度も強調しているのは、KPIの設定方法。例えば――


【KPIを分数にする場合は、分母が変数なのは避けた方がよいことを覚えておいてください。】


KPIとは最終的なゴール(KGI)に向けての進捗評価のための中間指標。
指標ですので、当然数値で設定します。その数値を分数で表した場合、分母が変数であると弊害がある、と著者は言っています。

ここで出ていた野球の例えが非常にわかりやすい。

首位打者は打率、つまりヒット数÷打席で決まります。
プロ野球首位打者争いに絡む選手が、最終試合の打席に立たないということがあります。
万が一、打席に立って打てなかったとしたら、打率が下がってしまいますからね。

ですが、打席に立たないということは、打率というKPIを達成することはできても、それは本来の目的でしょうか?
自分を見にきてくれたファンの期待を裏切ることになるのではないでしょうか。

これが、分母を変数にすることにより発生する弊害です。

ちなみに、イチローはこれを避けるため、打率ではなくヒット数を意識しているそうです。

さすがレジェンド。

最高の結果を出すKPIマネジメント

最高の結果を出すKPIマネジメント