瑞慶山 香佳 『数学デッサン教室 ― 描いて楽しむ数学のかたち』
タイトルと表紙に惹かれて購入。
数式によって描かれる図形の美しさに魅せられた画家(と言っていいのでしょうか?)が、自らの描いた図形を、数式とともに紹介している本です。
著者が冒頭ではじめに数学の専門家ではないと言っているとおり、数式の説明はさらりと書かれています。想定読者は数学をやっている人ではなく、絵を描くのが好きな人なのでしょう。
とはいえ、著者の弟が数学者だそうで、内容については信頼がおけそうです。
一見するとまったく違う形状のものが、数式の係数を変えただけで作れてしまうというのはなかなか興味深い。
コラムの数学に関する豆知識も個人的には面白かったです。
【ハニカム構造の“ハニカム”という言葉は、ミツバチの巣 (honeycomb) が語源になっています。】
ハニカム構造とは、工業製品などによく使われている六角形または六角柱を隙間なく並べた構造で、強度を確保できるそうです。自然界は実に奥が深い。
後半の実践編では、ソフトウェアの使い方に関する丁寧な説明がありました。
クラインの壺を描いてみたいとか、そんな欲求がある人にとっては非常に役立つ一冊に違いありません。
かなりニッチですが……
- 作者: 瑞慶山香佳
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2019/01/07
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログを見る