雑食こけしの読書録

読書記録をメインに趣味のことをゆるく書いています

こざき 亜衣『あさひなぐ』

ついについに感動の最終巻を迎えてしまった漫画。
女子高生たちによる熱いスポコンの物語が幕を下ろします。

映画化もされたので、もはや説明の必要もないかもしれませんが、簡単にストーリーを。
二つ坂高校新入生の東島旭[とうじまあさひ]は、元美術部で根っからの文化系。それが、何をとち狂ったのか女子薙刀部に入部するところから物語ははじまります。

登場人物は九割方女子。
絵面も華やかなはずなのですが、非常に熱く、汗臭いスポコン漫画です。

スポコンでは定番でもある、寺での修行もきちんと差し込んでくるという手の込みようです。

チームメイトは個性豊かな三人の先輩と、同学年二人+旭(のちに、三人の後輩も加わります)。
個性的であるがゆえに、ぶつかり合うこともありますが、基本的に薙刀にかける思いは同じ。
いくつもの壁を乗り越え、成長していく彼女たちの姿は、読んでいるこちらも胸が熱くなります。

年頃の女の子らしく、恋愛の要素もちょこちょこ入ってはくるのですが、本分は薙刀!とばかりに、なんだかかける熱量に大きな差が……
恋愛が絡んでくると、読んでいて面倒くさくなるので、私にはこのくらいがちょうどいいですね。

そして本巻。最後の試合の、最終勝負。
考えてみるとそれ以外に選択肢はないのですが、もうなんだか素敵すぎました。

主人公チームだけじゃなく、他校の選手たちもそれぞれ魅力的なのがこの漫画のすごいところです。
誰もが悩み、挫折し、それでも前を向いていく。群像劇として読むこともできそうです。

特に私が好きなのは、ライバル校の的林さん。言葉遣いは荒くて、ぶっきらぼうですが、チームメート想いの優しい子なんです。
「ええ子や……」とほのぼのしたいので、的林さんの登場シーンだけを集めた特別版はないものでしょうか。

あさひなぐ (1) (ビッグコミックス)

あさひなぐ (1) (ビッグコミックス)