雑食こけしの読書録

読書記録をメインに趣味のことをゆるく書いています

山田 悟 『糖質制限の真実』

流行りに流行ってもはや定着した感もある糖質制限
ひとくちに糖質制限といってもその方法も多岐に渡り、もはやどれを信じればいいのか分からない状況です。

さてそんな混乱の極みかつ玉石混合の中、この本は医学的根拠に基づいた健康的な糖質コントロールの方法について北里大学の医師である著者が解説したものです。
書いたのが医者だからとして鵜呑みにするわけではありませんが、それでもある程度の安心感があります(権威主義でしょうか?)。

いや、でも為になるなと思ったのが、効果に対する信頼性の指標です。「エビデンスレベル」と呼ばれていて、最も信頼性の高いレベル1(無作為比較試験)から、レベル4(症例報告)までレベル付けられているそうです。世にあふれる諸説にはこれらのレベルが混在しています。しかし、実際のところ、レベル間には隔絶たる差があり、エビデンスレベル1の報告がある中で、レベル4の説など本来ならば勝てるはずもないのです。しかし、諸説の中にはレベル4で信じられてしまっているものもあるとのことです。

確かに、センセーショナルな説が大々的に出版されたら、実験結果など気にせずに信じてしまう人は少なくないです。
これからはちゃんと、エビデンスも気をつけるようにしないといけないですね。


【一方、現在正しいとされている栄養学は、エビデンスレベル1の“無作為比較試験”で裏付けされているものです。】


ということですので、やはり健康については基本的に公的機関の情報を信じるのが間違いないのかもしれません。

ちなみに、著者は「ロカボ」の提唱者らしいです。今やロカボは完全に市民権を得ていますので、かなり精力的に活動をされていたのだろうと思います(この本は平成27年のものでしたので、5年前ですね)。