山本 洋子 『ゼロから分かる! 図解日本酒入門』
好きなものは知りたいと思うのは人情。
ということで、日本酒に関するもろもろについて書かれているこの本を読んでみました。
1テーマが見開き1つに収まっていて、興味のあるところから読んでいける作りになっています。
日本酒の歴史に関する話もいいですが、日本酒作りに込められた知恵や工夫はやっぱり読んでいて興味深いです。
【この心白という白い部分が出るのが酒米の特徴です。白いかたまりに見えますが、じつは隙間が多い空洞の状態になっているんです。】
飯米と酒米との違いを説明した一文です。食用の米は「水晶米」という、中までしっかりとデンプン質が詰まっているタイプの米のほうがおいしいものだとされますが、酒米は逆で中に空気が入って白く見えるほうが美味しい日本酒が作れるそうです。
デンプン質に隙間ができているので、麹菌の菌糸が中まで入り込みやすく、内側からデンプン質の分解を進めるとのこと。酒造りにはデンプン質以外の成分が含まれていると、雑味が生まれるので、好ましくないのですが、逆に、飯米だとタンパク質などのほかの成分がないと旨味がなくなってしまうそうです。
なるほどなあ、と思いました。
それ以外にも、見学のできる酒蔵リストや、お酒に合うつまみレシピなんかも載っていて、日本酒に関することを節操なく盛り込んでいるって感じですかね(褒め言葉)。
- 作者: 山本洋子
- 出版社/メーカー: 世界文化社
- 発売日: 2018/03/03
- メディア: 単行本
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